「ロストケア」を見終わった(2022年/日本)
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早朝の民家で老人と訪問介護センターの所長の死体が発見された。捜査線上にセンターで働く斯波宗典が浮かぶが、彼は介護家族に慕われる献身的な介護士だった。検事の大友秀美は、斯波が働き始めてからの自宅での死者が40人を超えることを突き止め(U-NEXTより)
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葉真中顕さんの小説の映画化らしい。全く知識ゼロでみた。
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十分にケアできるくらい裕福な人とそうでない人の格差、ケアする側とされる側の対比、そして至れり尽くせりケアしてもらうことが必ずしも幸福だとは限らないやるせなさ。
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そんな介護の理想と現実、そして高齢化社会の闇がしっかりと描かれていたと思うよ。ドキュメンタリーのような見応えもあった。
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つまるところ「事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるのだ」と。
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一方で話の筋は読めたかな。おそらく映像化の際に難しい部分があるのかもしれない。
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松山ケンイチさんがよかったなー。何をしでかすか分からない不気味さと暗い雰囲気が大好きだ(役としての)榎本明さんの熱演もすてきでした。
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作中ではキリストの黄金律がひとつのキーワードになっている。
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最期にこの本「君が手にするはずだった黄金について」から
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「厳しく指導されて成長したい」と思っている人は、良かれと思って他人に厳しく指導をしてしまう。「性的指向を聞かれても嫌ではない」と思っている人は、他人に対して不用意に性的指向を聞いてしまうことがある。どちらも道徳の原理に従った結果で、相手に嫌な思いをさせるつもりがないだけ都合が悪い。こういうことはよく起こる。道徳規則として間違っているわけではないので、傷ついたり嫌な思いをした人が不平を言っても、当人にはなかなか伝わらなかったりもする。思うに、二十一世紀の黄金律と銀色律には以下のような注釈が必要だろう。(*ただし、してほしいことや、してほしくないことには個人によって差があります)
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見応えがありました。
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興味のある方はどうぞー
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