「ニトラム/NITRAM」を見終わった(U-NEXTで660円)
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タスマニア島で両親と暮らす青年は、周囲から「NITRAM(ニトラム)」という蔑称で呼ばればかにされてきた。ある日、彼は芝刈りの訪問営業で出会ったヘレンと恋に落ちるが、2人の関係は悲劇的な結末を迎えてしまう。これをきっかけに彼の精神は崩壊し(U-NEXTより)
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感想は・・・向こう側がよく分かる。
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見ているのがきついかもしれない。
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公式サイトによると、1996年にオーストラリアで起きた無差別銃乱射事件をもとに作られた実録サスペンスらしい。いわゆる「無敵の人」にならざるを得なかった若者のノンフィクションだ。
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幼少期の生い立ちや環境などもあるんだろうけれど、一番見ていて思ったのはやっぱり「孤独」なんだろうなと。
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家族以外で接点のできた優しいヘレンを失って、最愛の父も命を絶つ。焦燥感と絶望感しか湧いてこないんじゃないかな。一方で、孤独な者同士だからこそニトラムとヘレンは惹かれあったんだろう。
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ニトラムの母親は、夫のアンソニーを愛していたんだろうか。喧嘩の際に仲裁しなかったり、葬儀で涙を流さなかったりとその辺が疑問だった。
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エンドロールによると、この事件をきっかけにオーストラリアで銃規制が見直されたそうだ。それによって市中に出回っている銃器が政府に買い取られて破棄されたと。
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しかしながら、全ての州で完全に順守されているわけではなく、現在は1996年当時よりも多くの銃器が所持されているそうだ。
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ほんとか、おい!(笑)
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つまるところ、今日一日を普通に過ごせる確率が、より「運」に左右されるようになったということだ。
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突っ込まずにはいられなかった。
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どうしても気になってもう少し調べると、オーストラリアには死刑がない。被告はおそらく死ぬまで刑務所なんだろう。
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He was given 35 life sentences without the possibility of parole.
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何人殺しても無期懲役だからなのかは分からないが、犯人は「殺害した数」にかなり執着していたようだ。
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From the moment he was captured, he continually wanted to know how many people he had killed and seemed impressed by the number.
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もしそうなら、これも死刑制度廃止のデメリットなんじゃないだろうか。あの世に送った数で爪痕、生きた証を残したかったのかもしれない。被害者側からすると、理不尽極まりないよな。
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理想を言えば
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雑居ビルでガソリンをまき散らしたいと思わずに、レンタカーで歩行者天国に突っ込みたいと思わずに、そして背後から散弾銃をぶち撒けたいと思わないような世の中が一番いいんだろうな。
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最後にこの本「アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か? これからの経済と女性の話」から
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「星の動きは計算できるが、人の狂気は計算不能だ」アイザック・ニュートン
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興味のある方はどうぞー
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