多動脳

読書

「多動脳」を読み終えた。
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著者はスウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセン氏で、以前「スマホ脳」を読んだことがある。
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スマホ脳
「スマホ脳」を読み終えた。 . . 著者はスウェーデンの精神科医。前作の「一流の頭脳」(未読)は日本でもべストセラーになったそうで、著者の本はこれが初めてだ。 . . できるだけ長い時間その人の注目を引いておくにはどうすればいい?人間の心理の弱いところを突けばいいんだ。ちょっとばかりドーパミンを注射してあげるんだよ。 ショーン・パーカー フェイスブック元CEO  ....

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新奇探索傾向(novelty seeking) リスクテイキングだけでなく新しい体験を求める傾向。
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リーキー・アテンション(leaky attention) ささいな出来事を常に新しく興味深いものとして認識してしまうこと。脳が重要なではないものを排除するのが苦手なため。
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DMNは集中とは対極のような存在で、集中している時にはブレーキがかかり集中が途切れるとまだ稼働する。常に集中して計画して実行してばかりだとDMNをオンにしてぼんやりする暇がない。それでは創造性を上げるための時間を脳に与えていないことになる(即興性があるほどぼんやり脳は活性化する)
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眠っている間に体の中で何が起こっているのか
「眠っている間に体の中で何が起こっているのか」を読み終わった。 . . 著者は早稲田大学睡眠研究所所長で精神科医らしい。面白そうだったので購入。この方の本は初めてだった。 . . ■ . . 睡眠前半の22時~2時頃をゴールデンタイムと決めつけるのは正しくない。正確には深い睡眠、すなわちノンレム睡眠第3段階が成長ホルモンがさかんに分泌される睡眠のタイミングである(睡眠...
宗教の起源 私たちにはなぜ〈神〉が必要だったのか
「宗教の起源 私たちにはなぜ〈神〉が必要だったのか」を読み終えた。 . . 著者は進化生物学者のロビン・ダンバー氏だ。 . 言わずと知れたダンバー数を導き出した人で、自分も「友達の数は何人?」に衝撃を受けた一人だ。新作ということで買うしかない(笑) . ちなみに原題は How religion evolved : And why it endures だ。 . . ...

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集中力が全然ないか素晴らしい集中力を発揮できるかどちらかなのだから、集中力を極限までもっていける状況を探すに限る。そうすれば一心不乱に没頭できる能力が極めて強力な強みになる。
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ADHDの人に多く見てきた特徴がある。権威に対して一切敬意を持たず、とにかく最高の解決法にこだわるところだ。アイデアを出した人がどういう立場の人だろうと関係がない。実利主義そのもので肩書きや権力争いには一切興味がなく大事なのは結果だけ。
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運動をするとドーパミンレベルが上がる。特に運動をした後にだ。15~60分後に最高潮になり、心が落ち着き集中できるようになる。走った後にそう感じる人は多いだろう。運動は副作用のない天然の脳の薬だ。
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ADHDは高い可能性で遺伝性、つまり遺伝子によるものだが環境も関わっている。ADHDになる可能性が高い状態で生まれてきても、実際に傾向が強まるかどうかは育つ環境による。
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ニューヨーク・タイムズ紙によればADHDの薬を製造している製薬会社は1社残らず「誤解を招くマーケティングを行った」という判決を受けている。製薬会社が狡猾なキャンペーンを行った結果、医師だけなく一般市民も「子どもも大人も高い割合でADHDだ」と納得してしまった感が拭えない。何もかも薬の需要を増やすためだ。
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以上引用です
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ADHDは、Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder の略で、多動や注意欠如の傾向が大きい症状だ。
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日本の場合、国立精神神経医療研究センターによると学童期の子どもの3~7%、成人で2.5%が診断に該当するそう。
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概して精神疾患はオンかオフでは計りずらい。
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ソワソワして落ち着かない、気が散って何にもできない経験などみんなあるんじゃないかな。
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精神病というベクトルがあるとしたら、その上に0から1までのグラデーションが走っていて誰もがそのどこかに当てはまる。そんなイメージだろうか。
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ただ程度の問題で、標準偏差から外れると現在の社会制度にそぐわない(能力を活かしずらい)性格と見なされる可能性が高くなる。
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それらの弱みを強みに変える方法が挙げられていて、特に印象的だったのは「違うタイプの人のほうがうまくやれる」という点だ。
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比較優位みたいなもので性格や気質が違うと凸と凹が埋まるように全体としてうまく回ると。
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トランプ政権のトップらにも当てはまる気がする(ADHDかは分からない)
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同類拒否がひとつキーワードになるのは間違いなさそうだ。
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最後に印象に残ったところを
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「あの人、絶対ADHDだよ」「彼はちょっと双極性障害っぽくない?」「うちの叔母さんは自閉症に違いない」診断名がメディアの記事にも溢れあちこちで目につく。目につけばつくほど「正常」だと見なされる範囲が狭くなる。境界線は私たちが決めて引くものだし、根本的には医学というよりも「社会が何を正常とするのか」という哲学的な問いになってくる。
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人間が生来持つ「分類したい欲求」、診断基準にはっきりとした線引きがないこと、ほとんどの人にADHDの傾向があること、薬で集中力が改善する人が多いこと、企業が利益を追求していること。その他にADHDの生徒の支援に自治体から予算が出る場合があるからだ。今後も診断される人の数は増え薬もさらに処方されるだろう。それが今起きていることなのだ。
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トランスジェンダーになりたい少女たち
「トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇」を読み終えた。 . . 著者は独立系ジャーナリストで、2021年にバーバラ・オルソン賞(ジャーナリズムの優秀性と独立性に送られる)を受賞したそうだ。 . 原題は Irreversible Damage - The transgender craze seducing our daughters だ。 ....
統合失調症の一族
「統合失調症の一族」を読み終えた。 . . 著者はロバート・コルカー氏で、アメリカのジャーナリストで作家だそうだ。この人の本は初めてだった。 . . ■ . . ドナルドは今はクロザピンを服用している。言わば最後の手段となる向精神薬で、非常に効果が大きいのと同時に、心筋炎や白血球の減少、さらには痙攣発作といった極端な副作用の危険も大きい。 . . 統合失調症...

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スマホ脳と同様に翻訳が素晴らしく、とても読みやすかったです。

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