罪と罰(上)

小説

「罪と罰(上)」を読み終えた。
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言わずと知れた巨匠ドストエフスキーの大作だ。20代の頃からずっと「死ぬまでには一度読んでみたい」と思いながら先延ばしにしてきてようやく読むことができた。
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ついいましがたは、どんな形でもいいから人とつきあってみたい、という気持ちもちらと動いたのだったが、いざ、実際に話しかけられてみると、もう最初のひとことから、不快な、いらだたしいばかりの嫌悪感がふいに頭をもたげてしまう。
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「貧は悪徳ならず、こいつは真理ですよ。いや、もっと真理なのは、飲んだくれは善行ならず、ですかな。しかし、貧乏もですよ、洗うがごとき赤貧となると、こいつはもう悪徳なんですな」
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きみはどう思う、ひとつのちっぽけな犯罪は数千の善行によってつぐなえないものだろうか?ひとつの生命を代償に、数千の生命を腐敗と堕落から救うんだ。
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「本当ですか、あなたは自分の花嫁に向かって婚約の承諾をもらったとたん言ったそうじゃないですか・・・何よりうれしいのは、彼女が貧乏人の娘であることだ・・・なぜって貧乏人から嫁をもらうほうが、あとで押さえがきくし、それを恩に着せていじめつけられるから得だとか?」
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「ラズミーヒンくん、たぶん、きみという男は、親切の押し売りの自己満足のためなら他人に自分をなぐらせるくらい平気なんだろうな」
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満足感といったが、これは親しい人を突然の不幸が見舞ったとき、いちばん近しい人のあいだにさえきまって認められる感情で、どんなに心からの哀れみと同情を感じていても、例外なく、だれひとりまぬがれられないものなのである。
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以上引用です
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感想は・・・まだなんとも言えない・・・が暗い話だ(笑)
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例のアノ事件のあとに、主人公が正気を失って苦しみに苛まれる描写がなんとも言えない。あまりのショックで自分を見失っていたときに無意識のうちに何をして何を口走ったのか自分自身に疑心暗鬼になるところがとても刺さった。
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あと外套(コート)の内側に輪っかを作って、斧を引っ掛けて隠すことなんかできるんだろうか?そこはスルーしたほうがいいんだろう(笑)
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1865年のお話なので、現代ではあまり目にしない小難しい言い回しや「気違い」や「びっこ」などのいわゆる差別用語もばんばん出てくる。電子辞書をそばに置いて読む事をおすすめします。
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まだ(中)と(下)があるかなりの大作だ、ふー
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「畜生め!」

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フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー

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