もう別れてもいいですか

小説

「もう別れてもいいですか」を読み終えた。
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本屋をぶらっとな。平積みされているのを発見。垣谷さんの本は何冊か読んだことあがある。
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ごめんね、雅代。羨ましいなんて言っちゃって。だけどね早死にしてくれる以上に妻にサービスなことって他にある?
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鬼婆だとか意地悪ばあさんなどという言葉があるが、鬼爺や意地悪じいさんという言葉はない。それがなぜなのか最近はよく分かる。見下されている側だけが鬼になっていく。同じ人間なのに下女のように軽く扱われる毎日の中で、真っ直ぐな心を保つことなど不可能だ。
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相手を見誤ったという思いは、男女双方の胸中にあるだろう。世の中は目まぐるしく変わり、人の暮らしも変わっていく中で、人の心も変わっていって当然だ。結婚以外のことでも同じようなことはたくさんある。自分だけは癌にならない。自分だけは大災害が起こっても逃げおおせる・・・と。人間というのは、なんと愚かなものなのだろう。
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考えてみれば、一人で新幹線に乗ったことさえなかった。こんなので一人前の大人と言えるだろうか。どうしてこれほど情けない人間に成り下がってしまったんだろう。まるで翼をもぎ取られた鳥みたいに一人ではどこにも行けない。
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もしかして前を向いて生きているのは、離婚した美佐緒だけではないのか。みんなは離婚しないのではなくて、離婚できないのだ。だってお金の無い生活が怖いから。女一人で生きて行く自身と強さを兼ね備えていないから。世間の人に不幸な女だと思われるのを恥だと思っているから。本当に恥ずべき人間は夫の死を待ちわびている自分たちのほうではないのか。
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「ねえ、澄子、私たちが健康で自由に動き回れるのってあと何年くらいだと思う?」
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「一泊ならええけど、この家の家事に手え抜いたらあかんで」
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「夫は妻の変化に気付かないことがほとんどです。離婚を突き付けられて今まで妻に甘えてきた夫がうろたえるというケースが多いですね。しかし女性が違います。離婚を決意したときすごいパワーを発揮しますよ。いきなり外国へ移住してしまうとか、有り金はたいて商売を始める人も少なくないです」
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偉業を成し遂げようとしていわけではない。輝かしい人生を送れるとも思っていない。ただ、単に自分を押し殺さずに暮らしたいだけなのだ。
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地方と都市部の違いはあれど、母親世代は出産退職してパート主婦というパターンが最多であった。なぜ退職したのかという問いには「そういう空気だったから」という答えが多かった。首都圏の企業でもそうなのだから地方ならもっと「空気」は濃いだろう。その空気を作るのが「構造」なのだ。
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以上引用です
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高卒後就職して正社員と働く。結婚して出産を機に離職、子育てが一段落してパートで働きながら家事も全部こなす。
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そんなごくごく普通の主婦、澄子が長年のモラハラに耐え、50代になり真剣に自分の人生を考え始める。
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田舎という閉鎖的な環境、親兄弟との関係がリアルだった。
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澄子のダンナ、孝雄は論外とはいえ主語が大きすぎる感はあったかな。
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「みんな」ではないよね。晩年も幸せな結婚生活を営んでいる人はたくさんいると思う。ただ、表には出て来にくい。
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なぜなら、他人の幸せには他人の不幸ほどの需要がないからだ。
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離婚したい、でもお金がない。離婚を考えている女性と同じくらいに、既婚男性に読ませるべきかも(笑)
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ガラスシーリングの構造的な要因は「アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か?」が面白いです。
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「アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か? これからの経済と女性の話」を読み終えた。 . . ゲームにはまってしまい、なかなか読めなかった本(笑) . 著者はスウェーデン出身のジャーナリストで、この本は元々2012年に発売されたらしい。ようやく読めた。 . . ■ . . 女子校に通う女子は男子と同じくらいリスク志向であるらしい。一方、共学の女子はリスクを避...
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最後に印象に残ったところを
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さあ、人生の再出発だ。誰の人生でもない。一度しかない自分の人生だ。もう二度と誰からも抑圧されない。偉そうに指図されることもない。ひとつひとつの物事を自分で判断し、自由に行動できるのだ。
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勇気を出して一歩踏み出す澄子の姿は、かっこいいと思うよ。
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彼女ならやっていける。
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だってダンナとは違い「自立」しているから。
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