「プロジェクト・ヘイル・メアリー(下)」を読み終えた。
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上巻の続きです。
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ジョンソン宇宙センターにあるNASAの無重力環境訓練施設(NBL)は、それ自体、工学技術の驚異と言えるものだ。そこの巨大プールは国際宇宙ステーション(ISS)の原寸大レプリカがすっぽり入るほど大きい。宇宙飛行士はEVAスーツを着てこのプールに入り、ゼロG環境での働き方を訓練する。
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速く進めば進むほど、経験する時間が少なくなる。まるで彼がぼくらに宇宙を探検しろといっているみたいじゃないですか。
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地球はこれまで5回も大量絶滅をしてるんですよ。それに人類はクレバーだ。絶対、切り抜けますよ。
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軌道上では、重力はただ「なくなってしまう」ものではない。実際、軌道上で経験する重力は、地上で経験する重力と同じなのだ。軌道上で宇宙飛行士たちが経験する無重力は、コンスタントに落下しつづけることで生じている。だが地球はカーブを描いているので、君は落ちていくのと同じ割合で地面から遠ざかっていくことになる。だからきみは永遠に落ち続ける。
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知性は、ぼくらが、ぼくらの惑星にいる他の動物に対して優位に立てるように進化する。しかし進化はなまけものだ。だからきみとぼくは、ぼくらは、ぼくらの惑星のほかの動物より少し賢い程度に知性的なんだ。
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宇宙空間にはごくごく少量の水素やヘリウムが漂っている。1立方センチメートルに原子が1個という程度だが、きみが高速に近い速度で飛んでいる場合には、これが大変な量になる。しかも大量の原子にぶち当たるというだけではない。きみの慣性系から見ると、この原子がふつうより重くなっているのだ。相対論的物理学は奇っ怪だ。
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抗生物質は身体の中の病気をほとんど全部殺すが、いくらかは生き残る。抗生物質を使うことで、人間は偶然にだが、病気に抗生物質に殺されずに生き残る方法を教えてしまっているんだ。
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いまの人はいまがどんなに恵まれているのかわかっていない。過去は、たいていの人間にとっては情け容赦ない過酷なものだった。時代を遡れば遡るほど、過酷なものになっていく。
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個体の物質は魔法の障壁と考えがちだ。だが分子レベルで見ればそんなことはない。個体物質は分子の連鎖、あるいは原子の格子、またはその両方だ。小さい、微細な領域に下りていけば個体の物質はレンガの壁というよりは鬱蒼としたジャングルに近い。
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ぼくはまったく未知の生物を対象に、そいつを改変しようとちゃんと理解してもいない技術を使ってしまったのだ。当然、そこには意図しない結果が生まれる。
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太陽系内の物体がしないことは何かご存知だろうか?太陽系内の物体は、太陽の重力から脱出したりはしない。脱出できるだけの速度を持っているものは何十億年前に脱出している。この物体がなんにせよ、ふつうの天体でないことはたしかだ。
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以上引用です
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感想は・・・面白かった!
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ラスト200ページほどは食い入るように読んだ。
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もうね、感情がぐらんぐらんして忙しかった(笑)
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数学、物理、化学はもちろん、生物の進化、耐性、環境問題まで色々なジャンルが組み合わさっているので、ドキドキハラハラしながら多くの事を学べるお得な本でもあると思う。
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音を通して意志の疎通をするところはセガサターンの「エネミーゼロ」を、アストロファージの件は、以前読んだ「限界費用ゼロ社会」を思い出した。将来的に誰もが無限にエネルギーを使えるような未来だ。
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あとね、アストロファージと同じくらい重要なのがタウメーバーの存在だよね。
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この本「後悔するイヌ、嘘をつくニワトリ」から
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どの有害生物にも、その数を抑制する有用生物がいるというのも見事というしかない。
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進化のハードなゲームに勝ち残るには、どんなものであれ無用な行動は慎むよう要請されるのだし、それを十分に満たせない動物はみな進化のレースから脱落させられてしまう。
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そしてもう一つはアンモニアだ。次世代型の原発はアンモニアで発電させるんだよね。実在する物質の中では期待が大きい分子なのかなと。
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あと、もし帰還したらストラットになんて 悪態をつくのかなー 言うのかなー、そのやりとりも読んでみたかった(笑)
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これ以上は書きません。
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「オーケイ、興味のある方はどうぞー」
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コメント
先日U-NEXTでBBC制作の「宇宙の秘密」という番組を見て面白かったので、にわかに宇宙に興味を持ったところです。
私にはきっと理解出来ない気がしますが^^;、それでも時間を掛けて読んでみたいと思いました。ご紹介ありがとうございます。
「宇宙の秘密」面白そうですね!
早速マイリストに追加しましたw
どんどん見たい作品がたまっていきます。
自分も、どれだけ読み返しても頭に絵が浮かばないところがありましたw
ドキドキハラハラの展開なので、よかったら読んで見て下さいね。