後悔するイヌ、嘘をつくニワトリ

読書

「後悔するイヌ、嘘をつくニワトリ」を読み終えた。
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動物のお話が好きなので購入、タイトルからして読んでみたかった。
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あとがきを読んで知ったが、この本は2018年に出版された「動物たちの内なる生活」を改題、文庫化したものらしい。そちらを既読の方は買う必要は無いと思います。
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人間以外の動物では、たとえ母性愛を意識的に発動することができないのだとしても無意識的なプロセスはちゃんとある。
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(動物が)異なる種の子供を育てるという例があるが、人間がペットを飼うことだって異種間の養子縁組になぞらえることができるかもしれない。
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感謝の気持ちを抱くためには、相手が自分に何か良いことをしてくれたと気付くことが必要だ。
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シジュウカラで調べたところ、臆病な個体は同種の仲間との協調性がより高かった。つまり、勇敢な動物も臆病な動物も等しく有利な点と不利な点を持っているからこそ、その二つの性格は今日まで保たれてきたのである。
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どの有害生物にも、その数を抑制する有用生物がいるというのも見事というしかない。
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ロイヤルゼリーは働きバチの下咽頭腺と大顎腺で作られ、普通の幼虫が21日以内に成虫になるのに対し、このスーパー栄養素は16日で新たな女王を生み出してしまう。
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進化のハードなゲームに勝ち残るには、どんなものであれ無用な行動は慎むよう要請されるのだし、それを十分に満たせない動物はみな進化のレースから脱落させられてしまう。
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動物におけるサドマゾヒストたるカタツムリは、相手を刺激するために、激しく抱擁しながらカルシウムでできたくぎ状のものをお互いの体に刺しあう。
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イヌの見せるあの典型的な視線(同情を誘うイヌ顔)は後天的に身に着けるものであり、叱られている場面で飼い主が期待するものをイヌは学んでいる。つまりイヌは自分の抱く心のやましさにではなく、叱られていることに反応しているのだ。
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ミラーニューロンが機能するのは、幼い子供のときから訓練された場合のみだ。愛情深い両親なり保護者を持っている者だけが、鏡映しの感情を訓練し、この神経細胞を強化定着させることができる。若いときにそのような環境から排除されたものは、共感能力の発達も止まってしまう。
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精神的外傷を受けるほどの経験をすると、特定の分子(メチル基)が遺伝子に付加されることを見出した。言いかえれば、身体的な特徴だけでなく、経験も遺伝子的なコードによって受け継がれる。
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大人のウサギの寿命は平均して2年半だけれども、序列の違いが寿命の差と連動していることが確認されたのだ。いちばん下位のウサギは性成熟に入ったあと数週間もしないうちに死ぬ。一方で上流階級にいる者たちは7年ほども生きた。
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生き物の死にざま
「生き物の死にざま」を読み終えた。 . . この手の本は好きで結構読んでいる。この本はエッセイ風に書かれていて、可愛らしいイラストもありとても読みやすかった。著者は農学博士で現在大学院の教授だそうだ。 . 「ダーウィンが来た」が好きな人なら楽しめることうけあいだ。 . . ■ . . 繁殖行動を終えたセミに、もはや生きる目的はない。セミの体は繁殖行動を終えると...

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自然を見ると、穏やかで調和のとれた世界だと感じることが多い。それゆえ自然は牧歌的で私たちの心を和ませる。だがそれはひとえに、人間にとって自然には危険がもうほとんど無いからである。その自然の中で生きているものたちにとってはそうではない。
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イヌの目のレンズは様々な距離に焦点を合わせることがうまくできない。あるものが6メートルまで近づくとようやくシャープに見えてくる。そしておよそ50センチより近くにくると、ふたたびぼやけてしまう。
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むしろ私が望むのは、今の世界をともに生きるものたちと付き合うなかで、それが動物であろうと植物であろうと彼らへの敬意が少しでも戻ってくればいいな、ということである。
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以上引用です
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感想は・・・めちゃくちゃ面白かった。
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読みながら何度「おもしろい!」と言ったことか(笑)
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人間に限らず、生きとし生けるもの全てにおいてどこまでがあらかじめ遺伝子にセットされた振舞いで、どこからが個体の意志にによるものかを線引きするのはとても難しいことだと思う。
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どれだけ科学が進歩しても動物が何を思っているか完全に理解することはできないだろう。人間の普通の会話ですら感情が合致しているケースは5%以下だと言われている。
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LISTEN --- 知性豊かで創造力がある人になれる
「LISTEN --- 知性豊かで創造力がある人になれる」を読み終えた。 . . 著者は元ニューヨークタイムスの記者で、人間関係や人の行動に関するトピックが専門らしい。この人の本を読むのは初めてだった。 . 良書は優れた読者によって作られる (ラルフ・ウォルドー・エマーソン) . . ■ . . 自然は人間に舌ひとつと耳ふたつを与えた。自分が話すその倍は、人の...

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それでも最低限の畏怖と敬意をもって接することが大事だろうな。
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「人間への愛について」と「見知らぬ世界」の章がすごく良かった。特にこの件がとても響いたので少し長いけど引用させてもらう。
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人間がその活動によって変えてしまった世界にさえ、生きのびるために動物たちは適応していく。白地に黒のまだら模様をその翅(ハネ)に持つ、オオシモフリエダシャクの例を見てみよう。
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その翅の色は、開長5センチほどのそのガが止まって翅を休めるシラカバの色だ。だがイギリスでシラカバが白かったのは、およそ1845年くらいまでである。
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その後、加熱する工業化で大量の石炭が燃やされ、その結果大量の煤が大気中に放出されたため樹木は黒くベトベトした被膜で覆われた。
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かつてきわめて巧妙にカムフラージュされていたガが、いまやはっきりと目立つようになって、その結果数十万匹もが鳥に食べられてしまったのだ。だたし、数少ない外れものをのぞいて。
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以前から存在したその外れものは、黒いヒツジさながらに暗い色の翅をしていた。これまでそれは、ほぼ死刑宣告に等しかった。だがそこで大逆転が起こって黒い個体こそが勝者となる。その結果数年もたたぬうちにほとんどのオオシモフリエダシャクが黒くなったのである。
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だが1960年代終わりに立法化された大気環境の浄化保持措置によって、ゲームの流れが再び変わる。シラカバはきれいになり、白い色を取り戻した。そしてほとんどのガの翅の色が再び白くなった。
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快楽としての動物保護
「快楽としての動物保護」を読み終えた。 . . タイトルに惹かれてどうしても読みたくて購入。いわゆるジャケ買いだ(笑)著者の専門は「比較文学・比較文化」で大学教授らしい。 . . ■ . . ネイチャースタディの支持者たちにとって、いわゆる「科学」は単なる無味乾燥な知識の集積に過ぎず、ネイチャースタディの全人教育的な理想の前では、より低俗なものとして否定的に受け止めら...

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動物や植物はすごいからね。人間なんかじゃはかり知れないとんでもない力を持っている。たまたま食物連鎖の頂点にいるだけで、驕った態度をとり続けているとしっぺ返しを食らうのは自然の摂理かもしれないね。
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ペットを飼っている人や動物好きにはもちろん、人生に少し疲れたり、生きる目的が分からなくなったような人にも何かしら刺さるところがあるんじゃないかな。
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日本でも2022年6月からペットに飼い主情報が入ったマイクロチップの埋め込みが義務化される。
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ちなみにシカ、ウマ、ヤマネコ、ヒグマは自慰行為をするそうだ。
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とても面白い本でした。

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