クララとお日さま

小説

「クララとお日さま」を読み終えた。
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ノーベル文学賞受賞者のカズオ・イシグロの最新長編。著者の本は「わたしを離さないで」以来で2冊目だ。
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わたしを離さないで
「わたしを離さないで」を読み終えた。 . . 言わずと知れたカズオ・イシグロのノーベル文学賞受賞作だ。好きなジャンルは圧倒的にノンフィクションだけどたまに小説も読むのだ。この作者の本を読むのはこれが初めてだった。 . ■ . 内容はネタばれになるので書かないけど、感想はなんだろうな・・・ボコスカウォーズ並みの不条理さで、なんとも言えない後味で明るい気分にはなれないお話だけ...

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「買うべきだったかなって、いま思いはじめたとこ」
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そして今回もう一つ分かったことがあります。それは、人間はさびしさや孤独を嫌い、それを逃れるためなら思いもよらない複雑な行動をとるということです。
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問題はわたしたちのほうだ、クリシー。君もわたしも感情に動かされる。これはどうしようもない。昔ながらの感情にとらわれる世代で、どこかにあきらめきれない部分を残している。誰の中にも探りきれない何かがあるとか、唯一無二で他へ移しえない何かがあるとかどこかで信じている。だが、実際にはそんなものはないんだ。
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「心配なことはありませんでした。わたしには最高の家で、ジョジーは最高の子です」
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以上引用です
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感想は・・・クララをなんとかしてあげて!
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ラストが切なすぎて泣けた。
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まず最初の1行を読んだ瞬間にPS4のDETROIT BECOME HUMANを思い出した。
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[PS4] DETROIT BECOME HUMAN
PS4 の「DETROIT BECOME HUMAN」を買った。 . ■ . 正確には Value Selection 版で発売後しばらく経過して値段が下がったものだ。5,200円くらいが3,445円と1,800円ほどディスカウントされていた。内容は変わらないみたいなので自分にはこれで十分だ。 とどのつまり3か月経てば FANZA の新作も値段が下がるというあのロジッ...

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このゲームにも主人公のロボットが店頭に並べられてお客さんに吟味されるというシーンがある。まさにその映像が蘇ってきた。
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前作の「わたしを離さないで」もそうだったが、クララとお日さまも「どうあがいても超えられない壁」が一つのテーマなのかなと。
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クララはとても純粋な AF (Artificial Friend) だ。

*ちなみに後書きを読むまで Artificial Figure の略だと思っていた。
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旧型だが人の感情や周りの空気を察知するのに長けていて、どこまでも深層学習していく。そしてとても純粋な友人だ。

小さいとき太陽がとても大きい存在だったなー。自転車に乗りながら夕日や月を見て、どこまでも追いかけてくる感じがしてずっと走ってたのを覚えている。きっとその頃は自分も純粋だったんだろう(笑)
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マクベインさんの納屋で太陽にお願いをする場面、あと溶液を取り出すシーンがそんな純粋さが一番伝わってぐっときた。

あとクララが情報を処理していく描写が最初のほうは理解できなくて100ページほど読んでようやく「あ、こういうことね」と分かった。
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「ブロックってどこのブロック?」みたいな(笑)
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こういうのは映像だと一瞬で表現できるが言葉だと難しい。読み手の想像力も試されるところだろう。
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イギリス繋がりということで
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ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」を読み終えた。 . . 著者はイギリス在住の日本人で、アイルランド人の旦那さんとその子供との親子の成長物語だ。ヤフーのノンフィクション大賞にノミネートされていて知った本。 . ■ . 老人はすべてを信じる。中年はすべてを疑う。若者はすべてを知っている。子どもはすべてにぶち当たる。 . 「ダニエルからひどいことを言われた...
アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した
「アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した」を読み終えた。 . . 著者はイギリスのジャーナリストで、自らが実際にイギリス国内でアマゾンの倉庫、訪問介護、コールセンター、ウーバーのタクシーで就労して働いた体験を赤裸々に描いた本。 . ■ . 生身の人間のマネージャーはいないと表現したほうが妥当かもしれない。代わりに従業員は、自宅監禁の罪を言い渡された犯罪者のごとく、...

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クララをなんとかしてあげて!
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ラスト書き換えて!(しつこい(笑))
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でもあの終わり方だからこそ人を惹きつける作品になるんだろうな。興味のある方はどうぞー

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カズオ・イシグロ

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