「クララとお日さま」を読み終えた。
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ノーベル文学賞受賞者のカズオ・イシグロの最新長編。著者の本は「わたしを離さないで」以来で2冊目だ。
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「買うべきだったかなって、いま思いはじめたとこ」
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そして今回もう一つ分かったことがあります。それは、人間はさびしさや孤独を嫌い、それを逃れるためなら思いもよらない複雑な行動をとるということです。
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問題はわたしたちのほうだ、クリシー。君もわたしも感情に動かされる。これはどうしようもない。昔ながらの感情にとらわれる世代で、どこかにあきらめきれない部分を残している。誰の中にも探りきれない何かがあるとか、唯一無二で他へ移しえない何かがあるとかどこかで信じている。だが、実際にはそんなものはないんだ。
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「心配なことはありませんでした。わたしには最高の家で、ジョジーは最高の子です」
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以上引用です
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感想は・・・クララをなんとかしてあげて!
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ラストが切なすぎて泣けた。
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まず最初の1行を読んだ瞬間にPS4のDETROIT BECOME HUMANを思い出した。
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このゲームにも主人公のロボットが店頭に並べられてお客さんに吟味されるというシーンがある。まさにその映像が蘇ってきた。
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前作の「わたしを離さないで」もそうだったが、クララとお日さまも「どうあがいても超えられない壁」が一つのテーマなのかなと。
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クララはとても純粋な AF (Artificial Friend) だ。
*ちなみに後書きを読むまで Artificial Figure の略だと思っていた。
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旧型だが人の感情や周りの空気を察知するのに長けていて、どこまでも深層学習していく。そしてとても純粋な友人だ。
小さいとき太陽がとても大きい存在だったなー。自転車に乗りながら夕日や月を見て、どこまでも追いかけてくる感じがしてずっと走ってたのを覚えている。きっとその頃は自分も純粋だったんだろう(笑)
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マクベインさんの納屋で太陽にお願いをする場面、あと溶液を取り出すシーンがそんな純粋さが一番伝わってぐっときた。
あとクララが情報を処理していく描写が最初のほうは理解できなくて100ページほど読んでようやく「あ、こういうことね」と分かった。
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「ブロックってどこのブロック?」みたいな(笑)
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こういうのは映像だと一瞬で表現できるが言葉だと難しい。読み手の想像力も試されるところだろう。
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イギリス繋がりということで
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クララをなんとかしてあげて!
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ラスト書き換えて!(しつこい(笑))
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でもあの終わり方だからこそ人を惹きつける作品になるんだろうな。興味のある方はどうぞー
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