「ソフト/クワイエット」を見終わった(2022年/アメリカ)
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幼稚園に勤めるエミリーと5人の女性たちは白人至上主義のグループを結成する。多様性を重んじる風潮、有色人種や移民を毛嫌いする6人は、日頃の不満や過激な思想を共有して盛り上がる。そして彼女たちは立ち寄った食料品店でアジア系の姉妹と口論を始め(U-NEXTより)
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見るしかない。
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映画は90分ほどで、全編ワンショットで撮影されている。
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「1917 命をかけた伝令」や「ボイリング・ポイント/沸騰」もそうだったように、ワンショトものは冗長になりがちな一方で、ライブ感というかリアルさがある。この映画も緊迫感があってドキドキした。
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もうね、冒頭から違和感ありまくり(笑)
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物語は偏った思想を持つ白人女性、つまるところ Karen たちが集まって展開していくリアルタイムスリラーだ。
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大半の人は何かしら思っているだけで、実際に行動には移さない。一線を超えるかどうかの線引きはどこなんだろうね。
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この映画でひとつ感じたのは「群れるか群れないか」じゃないだろうか。
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協力して励まし合えば一人ではできない偉業を成し遂げられる。しかしながら、群れるがゆえに一人ではしなかったであろう愚行に走る場合もあるよね。
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この本「プロパガンダ」から
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[グランファルーン] 誇りを感じさせるが意味のない人間同士の連帯
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主人公のエミリーは既婚者で、教師という安定した職業についている。おそらく一人で妄想しているくらいなら、こんな事態には陥っていない。
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責任が分散されると、気持ちが大きくなり「あと少しだけ、もう少しだけ」と、気付いても引き返せない大惨事まで突き進む。
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エミリーの夫クレイグも、仕返しの計画を止めつつも、本心はまんざらでもなかったんだろう。そう感じた。
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ラストはね、「アンの家に片付けに戻ったらダンナが自首して警察と待っていた」と予想していた。全然違った(笑)
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今、恐怖の正体という本を読んでいる。数ある「恐ろしいこと」がある中で、最もおぞましいのは人間の狂気かもしれない。
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一回見て欲しいな。
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